IT業界では、システムエンジニアやプログラマーといったIT技術者の深刻な人材不足が問題視されています。少子高齢化により、労働者人口が著しく減少していることも原因になっているでしょう。
また、IT技術者を必要としているのはIT企業だけではありません。社内システムの構築のためIT技術者を求める一般的な企業も増えています。特に、顧客の要望に応じて仕様書を作成でき、場合によってはプログラマーの役割も兼ねるシステムエンジニアは、需要が高いといえるでしょう。
しかしその一方でIT技術者を育成する教育プログラムは完成しているとはいえず、一部の専門学校だけではIT技術者の需要を満たすことができていないのが現状です。

IT技術者を育てられるスキルを備えた教育者は少ないため、養成校を増設したところで満足な授業を実施できないでしょう。IT企業に勤める技術者は企業内の研修などを通じてスキルアップできますが、フリーランスの場合はこうした機会に恵まれず、ネット上で情報交換してIT関係の知識を得ています。
このように、IT技術者の育成やスキルの向上に関しては、個々の企業や技術者に依存しており、社会として底上げするシステムが完備されていない状況です。

今後は人工知能やロボットの導入により、ある程度IT技術者の需要は低下するかもしれません。もっとも、人工知能やロボットの導入についてもIT技術者のスキルが必要なので、IoTやビックデータなどの分野を加え、当面は需要が高まりこそすれ、低くなる兆候は見られないでしょう。